高橋勝教授基調講演おぼえがき
先週の土曜日に、某大学の教育GP成果報告会なるものに出席させていただいた。
昨年秋に、このGPの中のひとつの取組みを見学させていただいた関係で、報告会のご案内をいただいたのだ。
得るものが多い報告会だったが、まずは忘れないうちに、横浜国立大学高橋勝教授の基調講演についてメモ。。。
非常によいお話しだった。テーマは「出会いを求め、社会を変える若者たち」。
・若者のコミュニケーション力が以前と比べて劣ったということではない。社会がコミュニケーションなるものをより必要とするようになった。
・今の若者は、自立を強制されている。評価社会のニーズに合わせなければならなくなっている。
・かつての日本は、子どもを大人にするのに人手をたくさんかけた。「親」がたくさんいた(「名づけ親」「拾い親」「後見人」など・・・)。1980年代以降、「手がかからない子がいい子」ということになった(そういうフィクションができあがった)。
・「○○さんに~したら、喜んでもらえてとてもうれしかった」・・・それが本体の仕事のあり方。自己実現や報酬ではない。それらは後からついてくるもの。
・自己実現というが、「自分」は誰かがいての「自分」。
・「キャリア教育」と称して、その人のバージョンアップだけを目指させる傾向がある。しかし、例えば取った資格が「誰のために役立つのか」は示されない。
・価値観は理屈ではなく感情。本当はシンプルなものなのに、(高等教育でいえばGPのように)意図的なしくみがないとできなくなった。
・勉強のための勉強ではない。人のために何かをすることで、事後的に何かが身につく。
・自分が今ここにいる意味は、他人が与えてくれる。評価社会の「評価」とは違う。
・「世代間伝承」は従来の教育で力を入れてこなかったこと。
ワタシが一番印象に残ったのは「かつては子どもを大人にするのに多くの人手をかけた」という点かな~。
社会に出たての新入社員の時期も、かつてはそんなふうだった。直属の上司や先輩だけではなく、あちこちの部署のいろんな人や、むしろお客様まで「新人ちゃんを育てよう」という気概があって(笑)、よちよちひよこが育っていったようなものだったなあ・・・と。
残念ながら、今はなかなかそのような会社もないようだが。
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