「ノルウェイの森」
「ノルウェイの森」村上春樹
【出版社のHPより】
<上巻>
限りない喪失と再生を描く究極の恋愛小説!
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。<下巻>
激しくて、物静かで哀しい、100パーセントの恋愛小説!
あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くこと――。あたらしい僕の大学生活はこうしてはじまった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同じ学部の緑。等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして哀しみを淡々とせつないまでに描いた作品。
懐かしい表紙のこの色。
映画で話題になっているということもあり、あらためて読んでみた。
はじめてこの本を手にとったのは20数年前。大学3年生の時だった。
所属したゼミで読まなければならない本のうちの一冊(つまり必須本)であり、好むと好まざるとにかかわらず、無理やり読まざるをえなかった・・・というのが真実であるが。
当時の印象は、
「なんだか全然意味分かんない~」
読み進めていておもしろいと思ったことは一度もなかったし、ゼミで意見を求められても「う~~ん??」という感じだった。ちなみにゼミでこの本を読む主旨は、おそらく「この本から社会の動きを読む」。ということだったと思う。多分。社会学科だったし。
その時の(おもしろくない本という)印象が強烈だったので、今、再び話題になっていても、あらためて読もうという気もおこらなかったのだが。
映画主演の松山ケンイチは好き。ちなみに。
オットに「大学時代読んで、ぜーんぜん分かんなかったんだよねえ」とつぶやくと、「でも、今読んだらまた違うかもよ?」と言われる。
本をまったく読まないヤツに言われるのもどうかと思ったが、出張で長距離電車に乗ることもあり、「つまらなかったら寝ればいいや」と、軽い気持ちで再び手に取ってみた。
で、読了。
やはりそんなにワタシの好みではないが、それでも大学時代に読んだときよりも全然ストーリーの中に入っていけた。
年齢を重ねると感じえるものは違うんだなあと発見。
「喪失」も「再生」も、あの頃の自分には分からなかったと思う。今ならば・・・少し分かるようになったのかな?
今。あえて。
一定の年齢以上の方にオススメしたい。
Comments
読み返しましたよー。お正月に。
当時は私も
わけわからん。と思ってつまらーーーんと感じた印象があります。
まったく同感。
でも読み返したら。。。
面白かった!
ナイーブ系の松ケンくんが好きなので当然映画も観にいきましたが、
菊地さんに感動!
真実の演技でした。
作品的には特にラストの方の解釈が違う!
違うねん!監督!
ちょっと残念でした。
やっぱり小説と同じわけにはいかないね。
ビートルズの歌もあまり使えない事情もあるだろうし。
以上、個人的感想をぶつけてみましたー。
Posted by: まっちゃん | January 18, 2011 02:31 PM
>まっちゃん
やっぱり年を重ねて、わびさびが分かるようになると感じるものも違うのかな~と今回あらためて思いましたわよ。
松山ケンイチ、いいよね~。
でも、やっぱりこの本は本の方がいいと思うのよ。映画観ていないけど。
解釈の広がりを「読み手に託す」という印象を昔から持っていました。
Posted by: lamb_labo | January 18, 2011 11:35 PM