「一日一生」
「一日一生」
天台宗大阿闍梨 酒井雄哉
朝日新聞出版新書
【出版社のHPより】
「一日を一生のように生きよ、明日はまた新しい人生」。現代の“生き仏”と称される酒井雄哉大阿闍梨の慈雨の言葉集。生々流転を経て、比叡山・千日回峰行を二度満行、いまだ歩き続ける。なぜ生きるのか。いかに生くべきか。人生に迷うすべての人に。
元厚生労働省局長の村木厚子さん(郵便不正事件を検察にでっちあげられ、逮捕・起訴されるも、無罪が確定し、内閣府に復帰した女性)の、つらく長い拘置所生活を支えた一冊であるということに興味を持って手にとってみた。
酒井さんという方は、現代の生き仏ともいわれるほどすごい僧侶らしい。
とてつもなく厳しい「千日回峰行」という修行を、なんと2回も成し遂げ(しかも2回目は60歳で!!)たという。。。「千日回峰行」は、4万キロ歩くことになるとかでそれは地球1周分にあたるとか。ということは、地球2周したということ??
根っから仏の道に生きてきた人なのか?といえばそうではない。
この本には、酒井さんの生い立ちなども書かれているが、30半ばで仏門に入るまでは、決してほめられた人生ではないというか、むしろ何をやってもうまくいかなかったというか・・・。結婚しても2か月くらいで奥様が自殺してしまうという悲劇・・・。
そこからいろいろあって、多くの修行を経て今の地位になったのは、この本にも書かれているように「仏さんは、ぼくの人生を見通しているんじゃないのかなあって思う」とか。でも、「道は開いてやるけれど、後は自分でもって考えなさい」って(仏さんは)言っているとも。
村木さんは、くじけそうになる気持ちを支えた、この本の言葉として、「一日を一生と思い精一杯生きる」をあげている。
ワタシが印象に残ったのは、「自分の地金は自分が一番よう分かっているでしょう」という言葉。大事なのは人からすごいといわれることじゃなくて、背伸びをすることでもなくて、ありのままの自分としっかりと向き合い続けるということ。表面をいくら金で塗っても、はげれば地金が出て、その人の本質が分かる・・・ということ。
2つ目は、よく言われていることだけれど、「教行一致」(学ぶことと実践することは両輪)というところかな。
とにかく、「生き仏」とまで言われるほどの大変な方なのに謙虚。
年末年始の一冊にぜひ。
Comments
こんにちは!oratakiです。
琴線に触れそうな本。読みたい。絵といい、本といい、どうもlamb_laboさんに影響されまくり。
Posted by: orataki | December 29, 2010 09:03 AM
> oratakiさん
コメントありがとうございます。
酒井さんの言葉の一つ一つは、マラソンに通じるものがあるように思います。
すぐに読める内容ですので、年末年始のお休みにぜひ♪
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Posted by: lamb_labo | December 29, 2010 02:45 PM