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September 28, 2010

「MOMENT」

Moment

MOMENT
本田孝好著

【BOOKデータベースより】

死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期患者の願いを叶えた事から、彼の元には患者たちの最後の願いが寄せられるようになる。恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望―。静かに胸を打つ物語。
「精神科ER」もそうだったが、人の生き死にが行き交う病院という場所にはさまざまなドラマがある。
この本は、あらすじにあるように、病院で清掃アルバイトをしている大学生が、患者さんの「最後の願い」を叶える話し。
夢をかなえるとはいえ、「ファンタジー」であったり、「美談」ではない。ファンタジックかつ涙涙なのかな???と、読む前に予想していたワタシは軽く裏切られた気分だった。
でも、よく考えれば、たとえ死を強烈に感じ、もがいている(表面上は平静をよそおっていたとしても)生身の人間の思いは、そんな生ぬるいものではない。ワタシが感じた「裏切られた」という思いは、むしろ納得感のあるものだ。たとえ、生の炎が弱弱しくなっていたとしても、まさに今生きている人間の願いの生々しさが、心に伝わってくるという意味で。
自分が患者さんの立場で、この「仕事人」に最後の願いをかけるとしたら。。。どんなことをお願いするかなあ?

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