「青い鳥」
「青い鳥」重松清
新潮社文庫
【出版社のWebサイトより】
村内先生は中学の非常勤講師。国語教師なのに吃音を持つ先生の、一番大切な仕事は、ただ「そばにいること」。「ひとりぼっちじゃない」と伝えること。いじめ、自殺、学級崩壊、児童虐待……子どもたちの孤独にそっと寄り添い、だからこそ伝えたい思いを描く感動作。すべての中学生、中学生だったすべての大人に捧げる救済の書。
この本を原作とした映画(阿部寛主演)のポスターが、たまたま町内会の掲示板に貼ってあった。その映画は、文部科学省の推奨映画かなにかになっていて、子どもたちの夏休み期間中に、区で上映会を開催する・・・という内容の掲示だったと思う。
「そういえば、封切り時に話題になっていたかも・・・」と考えながら、所用を済ました後、たまたま時間つぶしに立ち寄った書店で、原作の文庫を見つけ、手にとったという次第。
主役は、中学の非常勤国語教師の村内先生である。吃音があり、ふつうに考えたら、教師・・・それも国語担当・・・としてはふさわしくないといっていいかもしれない。
でも、村内先生は、「うまくしゃべれないから、たいせつなことしか言わない」。
村内先生は、「ひとりぼっちになってしまった子」にたいせつなことを伝えて、学校を去っていく。そして、また、先生を必要とする生徒のいる違う中学校へ行くのだ。
ひとりぼっちになってしまった子を「助けた」とも「救った」とも言わない。
ただ、「よかった。間に合って。」とほっとした顔でそばで微笑んでくれる。
そんな人間になれたら・・・いいな。
出版社のWebサイトにある通り、「すべての、かつて中学生だった大人」にオススメしたい。
個人的な感想なのだが。。。
小中学校の教師を目指す若い人たちは、本当は(最初の動機の部分では)、村内先生のような存在になりたいと思っているのではないかなと思う。高い志を持って。
でも、現実の中で、あきらめてしまうことも多いのかなあとも。あきらめていかないと、心と体のバランスを自分自身が崩してしまうというのもあるかもしれない。公立小中学校の先生の求職率は高いと聞くし。
教師を目指す若者の志を活かすような教育制度であってほしい、必要であれば改革してほしいと切に願う。(誰に願っていいのか分からないのが問題だけど。。。国?文部科学省?)小中学生時代における先生との出会いというものは、本当に大きいと思うから。
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