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October 30, 2009

「ワークプレイスラーニング2009」

人生ではじめて「東大」に足を踏み入れた、、、


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その目的は、
ワークプレイスラーニング2009」。
東京大学の中原淳先生が中心となって企画されている組織と学習に関する産学協同シンポジウムである。

ワタシははじめて参加したのだが、すでに3年目(3回目)を迎えるそうで、なんと、今回は1200名もの方が申し込んだとか。
今回のカリキュラムはコチラ

安田講堂はほぼ満席。

カリキュラムを見ると分かると思うが、このシンポジウムは進行が独特である。

趣旨説明・問題提起に立った中原先生曰く。
「よくあるシンポジウムは”聞く””聞く””聞く””帰る”。でも、ワークプレイスラーニングは”聞く””考える””対話する””気づく””講堂外で語る”というスタイルで」。
「大学はいまだ答えのない問題を、共に探究する場である。大学を会場として行うのだから、みなさんにも、知の探究者として参加することをお願いしたい」。

シンポジウムの間中、会場の参加者から、携帯メールで質問を受け付ける(ワタシもいくつかメールしてみた)。配布資料の中に、ちゃんと、質問用メールアドレスが入っているのだ!

まず一つの企業のケースについて、その企業の方にご講演いただき(30分)、次に4つの学問(経営学、心理学、社会学、教育学)の視点から大学で研究をしている(アカデミア)先生方のコメントが入る。
このコメントは、理論的バックボーンを中心に(知らない理論がたくさんだった!)企業の方にお話しいただいた実践の場とつなげていく。
そして、次に、会場内で「ペアディスカッション」。近くの席の人たちと名刺交換をして、あーだこーだディスカッションする。
その間、先生方およびスタッフの方々は、携帯メールで来た質問を集計している。
ペアディスカッションの次は、携帯メールで来た質問のうち、多かったテーマ等について、中原先生から講演していただいた企業の方々に対して質問。。。

このようなセッションが3つセットで続くのだ。
(ちなみに、午後のスタート時に、自発的に午前中の席と違うところに座るようアナウンスが入る。いろいろな人とペアディスカッションするために)

そして、最後に10分間「リフレクティブシアター」なるものがある。
これは、プログラムを見たときは「何ぞや?」だったのだが、簡単にいえば、マルチメディアを使った「ふりかえり」。

朝の入場風景から、午後3つ目のケースのセッションが終わるまで、「リアルタイムドキュメンテーション」という名のもと、会場内で3000枚もの写真、および動画をスタッフの方が撮っていたのだ。それを、ショートムービーのようにまとめ、最後にエンドロールをつけて、会場全体で「ふりかえる」。
講演者の方はもちろん、参加しているワタシたちがディスカッションしている顔の表情などもフラッシュバックのようにどんどんスクリーンに流される。

全体として、非常に知的好奇心をかきたてられるシンポジウムであり、自腹(4000円)で1日費やして参加してよかったと思う内容だった。

それにしても、「企業内人材育成」に「組織と学習の関係」。
かつて企業研修を多く実施していたワタシからすれば、10年くらい前にこういう研究分野があったなら、、、と思う。

そして会場にいらっしゃった方々。。
名刺を交換させていただいた方の中には、教育ベンダーの方も多かったが、企業の人事部やエンジニア系部門の方などもいらっしゃった。
中には、育児休暇中だけれどもどうしても参加したくて子どもを預けて来た方や、大阪から有給休暇をとって参加したという方も。。。
「1日費やして自腹で・・・」とか言っている自分の小ささを痛感した。
そう。それが本日一番のワタシの「リフレクション(自己反省)」。

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Comments

>自腹
ええんよええんよ。
そういう「恩恵」あってもいいんよ。
勉強しようっていう志は同じ。
空気悪くて物価高くて誘惑多くて・・
消費する一方の都市生活インテリゲンちゃんは、「勉強」を自分だけのためでは無く者気に還元するという立派な「使命」があるって思う。
それを「自腹」でやったセンセは、大阪から来た人や育休の人に恥じ入ることなんかないっすよ。


「人材育成」
人を育てるって言うのは
企業にとっては「自腹」ではないんでしょうかねぇ??
人件費けちって儲けにつながらん部門を削りに削った結果
創造性も独創性も投げ捨ててしまった企業には猛反省して欲しいですよ。

Posted by: おりがみ | November 06, 2009 09:43 AM

>おりがみさん
自腹投資で勉強すると必死のパッチで何かを得ようとするですからね。。。
ワタシも資格試験で合格したものはほとんど自腹で勉強したもの。学校や会社から「やれ」といわれたもので本気出したことはあまりないかも。。。
でも、「学校」や「会社」は、必死のパッチで取り組む何かのきっかけを与えてあげるという大きな役割があるのかな・・・と思います。

職業柄、「研究費」というコストを使って研究する機会を与えられているワタシらは、よく考えないといけない。。ワタシなんてろくな研究してないわけですが。

一部を除く企業人はそんな費用も認められず、利益向上と自らの学びとメンバーの育成を同時に考えていかなければならない立場に立たされており、それでも模索し、自ら情報をつかみにいっている。
このような場に出向くと、師は決して大学の研究者ではなく、多くの「ふつーの働く人々」だと痛感します。
謙虚に学ばなければ。。。

>「勉強」を自分だけのためでは無く
さすがおりがみさん。
ココ大事なトコですよね!
何らかのかたちで、長い目でみて還元していかないと。。。

>「人材育成」
今回のテーマは、「個人」と「組織」の関係が主でした。
個人の能力向上が組織の利益につながらないこともあるし。。。組織の利益重視は個人のモチベーションをそぐこともある。その葛藤みたいなモヤモヤについて結論の出ないテーマについて。
まあ、答えはないわけですけどね~。
あきらめずに常に語り合いつづけ、問題提起をしつづけることが必要なのかなと。

Posted by: lamb_labo | November 06, 2009 02:58 PM

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Tracked on November 06, 2009 09:55 PM

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