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August 30, 2009

「教育ルネッサンス 大学の実力」

Daigakujituryoku











教育ルネッサンス 大学の実力」読売新聞教育取材班著

「全入時代」を迎え、大学の評価を研究面と同じか、それ以上に左右するのは教育力であろう。学生の学ぶ意欲の欠如や基礎学力の不足に悩む大学はいまや多数派であり、学生をどこまで伸ばせるかという教育の質が問われている。本書は100校を超える大学の実情を紹介する現場リポートである。あわせて、退学率の公表などで大きな反響を呼んだ「大学の実力 教育力向上への取り組み」調査の約500校分の結果も収録する。

思いのほか、時間をかけて読んだ本。
なかなかおもしろかった~。
現場の片隅(現場というのもはばかられほどの片隅)にいるノンキャリアな教育担当者であるワタシにとっては、うなずくことも多かったし、応援したくなるような大学もあったし、もちろん参考になる取り組みも多く掲載されていた。
その一方で、現場にいなければもっとおもしろく読めたような気もする。現場を知っていると、書かれている内容によってはつい読むことにつまづいたり、思わず本を閉じてしまうような記述も。もっと気楽に読みたかったかも。

巻末に調査結果がまとまっているが、やはりセンセーショナルなのは「退学率」の公開。
退学者に関しては、個々に事情もあるわけだし、一律に「率」だけで語ることはできないだろうけれども。やはり数字でビシっと提示されると・・・。

帯に「偏差値にかわる、大学選びの新基準とは?」と書かれている。
大学教育と社会人教育・企業研修との違いは、ゆるやかではあるかもしれないが、長いスパンで「伸び」を実感できること。
今後、偏差値の高低にかかわらず、学生の「伸び率」をはかりそれを誰もが分かるように示せる指標を模索していくことが大学のミッションのひとつになるのかな?

まあ、いろいろ考えさせられる本でした。

教育機関関係者はもちろん、子どもを大学に通わせようとする親御さん方、再び学びの場に帰っていこうと考えている社会人の方にオススメ。
そして、地域とのかかわりが大学にとって重要な意味を持ってきていることを考えると、身近な地域に大学がある方にもオススメ。

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