「女36歳からでもキャリアは作れる」
「女36歳からでもキャリアは作れる」(光文社)
辻三千代著
【出版社の紹介文より】
3人の子供と幼馴染の夫との平凡ながらも幸せな生活は、夫の裏切りで崩壊した。海外赴任から帰国後、1週間で夫が失踪。子供を抱えて上京し再就職をはたした著者は、キャリアアップのための転職を繰り返し、55歳で思いがけず教授となった。著者の強烈な体験を通して考える、女にとって仕事とは、家族とは。
本日は、勤務先でオープンキャンパスのサポートを終えた後、この本の著者である辻さん(=ネット上でのハンドル名は百子さん)の出版記念パーティにうかがう。
ともかく盛況で、ご挨拶に立たれる方々のお話しも印象的。
以前、何人かの方の出版記念パーティに招かれたことがあるが、そのときとはまた違う、何か「サークルの打ち上げ」的な盛り上がりだったように思う。
さて。
本編の内容について。
早々に感想を書きたいな・・・と思いつつ、「リアルな世界で存じ上げている人生の先輩」の「本当の本当のライフストーリー」であるがゆえ、いろいろ考え出すとコメントが難しい。
ということで、あまり考えずに感想などを。
勉強会等を一緒に実施し、長いつきあいの先輩コンサルタントの方が、ある時期から本を多く出版している。
(書くスピードがハンパなく速いのだ)
その方は、いつも本を企画・出版するときに「今回の本は、~のテーマについて世に問いたいんだ」とおっしゃる。
自らの企画持ち込みで本を出版される方は、そのような「思い」を込めて筆を進めるのだろう。
「女36歳からでもキャリアは作れる」の場合は、、、何を世に問いたいのだろう?簡単な言葉を使えば、「その人なりの道の探し方」といえるのだろうか?
そんなことを思いながら読み進めていった。
「はじめに」で、
「若いキャリアウーマンの参考になれば幸いである」と書かれているが、この本はむしろ「そういう人ではない人」にも多く読んでもらいたいなと強く感じた。
なぜそう感じたのか・・・。
この本に書かれている、人生の思いもよらない「進展」の要因は、ひと言でいえばそのお人柄と行動の「オープンさ」にあったのではないかと思う。
別に誰にでも話しかけるとかそういうことではなく、心の開き方というか・・・他者に対して「どうぞOKですよ」というような。
どこかで誰かが書いていたが(・・・出典が正確に思い出せない・・・)、人はすぐに「自己分析=内面をみる」ことをしようとする。でも、そんなときは「外に向かって開く」ことを意識した方が効果的であるのだ。それを、まさに体現されてきた上での現在のキャリアなのではないか。
それならば、「他者としてかかわってきた対象である」この本の中に登場するタイプの各種男性や、キャリアなんて考えたことのないような女性、息子さんの世代の男性などが、このストーリーを読んでどのような感想を持つのか、興味深い。
(ちなみにわがオットがちらっと見て言った感想は「オレもラムラボにこんな風に書かれるのかな」であった・・・少し悲しそうでもあり、観念した様子でもあった(苦笑))
男女格差や母子家庭の厳しい状況など、違う立場の人が読んでこそ、「世に問う」影響力が発揮されるように思うし、
それだけの何ともいえない力が満ちた本だと感じている。
あっ、もちろん、当初のターゲットである若き女性にもオススメ。
次の著作は・・・
小説ですかね?
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