「ジェントルマンへの回り道」
日経新聞を購読していると、月に1回(?)「日経マガジン」という小冊子が入ってくる。
これがなかなかいつも読みでがあるもの。
本編の新聞よりも熟読してしまったりすることも多い。
7月号の特集はワタシが不得手とする「マナー」。
どんな内容かと思いきや・・・身近でおもしろい切り口だった。
特集の中で一番気になったものが「ジェントルマンへの回り道」というタイトルの記事。
早稲田大学と明治大学、強豪ラグビー部がともに掲げる今年の目標が「部員の日常生活の見直し」。
早稲田は週に一度「今週のジェントルマン目標」をメールで配信する。
例えば、「使ったものは元の位置に戻す」「一日一個、町のゴミを拾う」とか。
チーム内での競争が激しく、常勝を求められる中で、いかに外から批判されず一致団結した集団になることができるのか・・・それをつきつめた結果、36歳の監督がたどり着いた結論が「ジェントルマンシップ」。
「目標」の内容だけを見ると、・・・・小学生?という気もするが、両大学の監督には、それなりの理論がある。
「私生活で細かいことに気を配れない人間はプレーでも細かいことを追求できない。勝負の世界ではメッキがはがれる」(明治大学:吉田監督)
「相手より先に挨拶することは、試合中にコミュニケーションを取ることに結びつく。ゴミを見つけ、無意識に拾えるようになれば、こぼれ球や相手のミスにも身体を張れる」(早稲田大学:中竹監督)
2人の監督は、意味を考えずにマナーがマニュアル化することを恐れ、その点を学生に丁寧に説明してきたそうだ。意味を考えないことは、組織が硬直化する一番怖い落とし穴だから。。。
ちなみに、早稲田大学の中竹監督はコンサルタント経験もあるそうで、「その時、その場で必要な振る舞いは何かを判断する力をつけてほしい」とも言っている。
ちなみに、いいな・・・と思ったことは、先にあげた「ジェントルマン目標」は、部員自身が考えたものであるということ。
「委員」と呼ばれる幹部がディスカッションしながら、目標そのものや、「どうしたら目標が達成できるか」「部員の本音を引き出すには?」などについて話し合っているという。
監督も、部員も、試行錯誤は続いているようだが、なかなかおもしろい試みだと思う。
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