「再生」
「再生」石田衣良
テレビのコメンテーターとしてもよくお顔をお見かけする、作家の石田衣良さんの新刊。
妻を喪い息子を一人で育てる父親。突然彼から
別れを切り出されたキャリアウーマン。
日々の仕事にうんざりする契約社員……。
平凡な日常に舞い降りた小さな奇蹟。
名作『約束』に連なる感動の短編集。
久々に手にした小説本。といっても、軽い短編集。
人気で著名な作家の作品であり、新刊でもあるということで、本屋に平積みにされていたところに思わず手が出て購入。
タイトルもシンプルだけれど心にずしっとくるものだったし。
この本におさめられているどの作品も、すべて、「痛みを知った(知っている)老若男女」「ありふれた一般の人」が主人公。
それだけに、読み進める途中で、自分や身近な人をイメージして心が痛んだり、切なくなったり。
でも、最後に必ず、痛みから立ち上がっていく一筋の明かり、そう、「救い」といってもいいかな?が見える。
人は何があっても、力強く「再生」ができるのだ。 ← これが作者のメッセージなのかな?
個人的に好きな作品は、メインタイトルにもなっている「再生」そして「ガラスの目」。
どちらも、ワタシと同年代の家族が再生していく物語だ。
こんな経済状況で、家族や仕事の何かしらにおいて「今、底にいるのかな?自分は。。。」と感じているヒトにオススメ。
「再生」のときが来ない世の中はない。はず。
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