「マーケティング・アンビション思考」
「マーケティング・アンビション思考」
嶋口充輝 他著
角川Oneテーマ21新書
【出版社の紹介文より】
390社への調査結果を基に、6名の学者が
これからの時代のマーケティングのあるべき姿を、
「アンビション」「顧客満足」「スピード経営」と
いったキーワードとともに解説する。
なかなか解消しない風邪っぴきのため、ごろごろ寝ながら読了。
こういうときは、シゴトには直接関係ない本を読んで過ごすに限る。
新書ということもあって、簡単に楽~に読めそう・・・と思っていたが
そうでもなかった・・・。意外に難しかった。
そもそも、お目当ては上原征彦先生の書いた「第5章」だったのだが、
読んでみれば「第3章 マーケティングへの2つのチャレンジ」が
一番おもしろかったな。
「三人称で語られる顧客などに意味などない」とか
「インターネットがマーケティングを変える」とか。
このお題目だけみると、今まで語られていたこととなんら変わりない
ようなのだが、この本で書かれている切り口はちょっと違う。
特に「インターネット・・・」のところ。おもしろかった!
「インターネットは企業のIQを示す鏡」というパートなんて、
納得納得で読み進んだ。
第3章の著者「片平秀貴」氏の肩書きは、
「丸の内ブランドフォーラム代表」。何のこっちゃ??と思ったら、
元々は東京大学の先生か・・・。
現在の肩書きと、現場の問題意識に近い視点のように感じる
論調からして、元々は会社員だった方かなあ・・・と思ったのだけれど。
何となく「研究室からあがってきた学者先生」という感じがまったく!
しなかったから。
マーケティング論者の中でも、ブランドを専門にする有名な先生とか。
(「ブランド論」は今まであまりチェックしていなかったので・・・
有名な先生だったのね・・・無知バレですな(恥))
今後、この先生の著書は要チェックだわ。
「アンビション」とは、
「外に向かって何をしたいのかの方向性を示し、実効性の高い
柔らかい戦略を持って発せられるもの」だとか。
分かったようで分からないけれども。
今の日本の企業の行動に対して、問題提起をしていることは分かる。
本の帯にある「効率追求の時代はとうに過ぎ去った」というコピーが
この本の核を示しているのかも。
「夢」とか「哲学」とか「経験」とか・・・
マーケティングのお勉強入門期が、この本で嶋口先生が示している
「硬い戦略」中心だったように記憶しているワタシには
「”夢”・・・もちろん大切ですが、それでいいんでしょうか?」
なんて違和感も少々感じた。
まあ、頭が固いということですな。
そして、専門家にあらず、、ということを言い訳にきちんと時代を
追っていないということですな。
たまには、ちゃんとした先生が書かれたマーケティングの本も読まないと。
結局、一消費者としては。
ワタシたち生活者のニーズを真に満たし、
「こんな商品が欲しかった」
「こんなサービスが欲しかった」
「こんな場が欲しかった」
という夢を与えてくれるならば・・・
「アンビションな思考のマーケティング」万々歳ということで。
専門的な本としてはお安い新書なので、
マーケティング(とその理論)が好きな方にはオススメ。
Comments