「先賢諸聖のことば 直筆の格言・名言コレクション75」
「先賢諸聖のことば」思文閣 田中大
<出版社による内容解説より・・・>
徳川慶喜、勝海舟、福沢諭吉、渋沢栄一、
吉田茂、中村天風、安岡正篤……
先人たちが遺した「書」から
現代へのメッセージを読み取る!『開運! なんでも鑑定団』でおなじみの
名鑑定士が、直筆の格言・名言から現代人
へのメッセージを読み解いた書。
著者は語る。「人は誰しも迷い、悩みます。
そんなとき、大きな拠りどころとなるのは、
同じように悩み、苦しみ、しかし自分を信じて
理想を追求した先賢たちの存在ではないでしょうか。
いまこそ先賢たちの書を手軽に鑑賞し、学び、
日々の心の支えにしていただきたいと考えます」
書への造詣はまったくないワタシであるが、
(一応、高校の芸術科目の選択は「書道」。著名(らしい)
中国出身の先生に指導を受けたものの・・・ハンコまで
授業で彫ったけど・・・)
近所の書店の「経営学」本のコーナーで、なぜか平積みに
なっていたこの本に目が留まり、購入。
上記の<解説>にあるとおり、先賢方の書が示され、
そのひとつひとつに、思文閣代表の田中大氏の解釈が
ついている。
最近、本を読んでいて分かったことがある。
それは、その時の自分の心持ち、気になっていること、
要は精神状態などによって、頭に残るフレーズや
シーンが変わるものなのだな・・ということ。
先日、大学時代のゼミでさんざん読んだ「ノルウェイの
森」をあらためて読み直して、確信した。
「先賢諸聖」のことばの中で、”今の”ワタシの心に
特に残ったのは、この3つかな・・・。
1.「野に生きて花も実もあり」水上勉
→ 田中氏による、ひと言解釈は「”ふつう”はえらい」。
そして、解釈はこう続く。
「だれもが自分に合ったフィールドで、自分に合った生き方を
することこそ大切。いわゆる立身出世という価値観がすべて
ではない」。
2.「君子与其使食浮於人也 寧使人浮於人也」堀景山
→ ひと言解釈は「能書きはいらぬ、ただ働くのみ」。
「自分にとって得だとか損だとか、そんなみみっちいことでは
なく、どれだけのことができたかを問題にすべきである」。
3.「平常心是道」奥村土牛
→ 「人生に近道なし」。
「奇抜なことをするのではなく、地道なこと、目立たないことを
淡々と愚直にこなしていく。・・・実はそれが最も難しいこと
であり、大事なことではないでしょうか。この社会はそんな
数万数億の人びとのおかげで成り立っているのです」。
・・・とまあ、非常に大雑把にメモするとこのような感じ。
このほかにも、「教育の要諦」に関することばなども
あったけれど。。。
こうやって気になることばを書き出してみて、
”ワタシ”を自己分析?してみた。
やはりこの年齢になって「ふつう」レベルを常にキープ
することの難しさを痛感している。。。
そう、そんな”ワタシ”が浮き彫りになったような???
油断すると「ふつう以下」になってしまうわけだ。
ヒトというものは。
気持ちのブレも「ふつう以下」にブレブレ。
シゴトなどのブレも「ふつう以下」に雑になる。
気まぐれで手にとった本だったが、
「ふつう」でい続けることを「意識しなさいよ!」と
先賢諸聖の方々があらためて指摘してくれた・・・
という意味では、よい出会いだった本。
もちろん、すばらしい書を単純に楽しむ、という
目的で読んでもよい本だと思う。
それにしても・・・
昔のヒトって本当に字が上手でウラヤマシ~!
Comments
まったく同感です。普通であることを維持するのはなかなか難しいですね。ちょっと油断するとそれ以下になってしまう… 。欲が出れば浮いてしまう…それぞれ個人の身の丈の合った生き方をする。いつもそれを模索しています。
Posted by: momoko | November 09, 2008 12:02 PM
>momokoさん
momokoさんの域でも模索中ですか???
う~む。それでは、ワタシなぞまだまだですね。
「身の丈」をどうとらえ、自分なりに消化するのか・・・自分のものさしを作ることも結構難しいと思います。
失敗しながら練っていくものなのでしょうかねえ???
書をたしなまれるmomokoさんにとっては、眺めるだけでも楽しい本だと思いますヨ。
Posted by: lamb_labo | November 09, 2008 01:40 PM
眺めるだけでも楽しい本。・・・この本ことはどっかの書評で見た覚えがあります。眺めてみようかしら・・・。所詮人間なんて自分の「欲」とどう戦って折り合いをつけていくかだと思いますよ。「今のままの自分で言いのか」って、いつも思っている私は、欲深い女のようです。
Posted by: momoko | November 10, 2008 09:05 AM
>momokoさん
書の知識があれば、もっと深く読めるのに・・・と思いつつ、ページをめくっていました。
ちなみに、各書のお値段も書かれています。。
Posted by: lamb_labo | November 10, 2008 10:19 PM