「凡人として生きるということ」押井守
(出版社による紹介文)
世の中は平凡な人々の営みで
成り立っている。
が、少数の支配層が流す“嘘”が
“常識”として認識され、
不自由を強いられている。
嘘を見抜く力を身につけて、
自由な凡人として生きる術を伝授
映画「スカイ・クロラ」の監督でもあり、業界(アニメーションや映像関係)の大御所押井守氏の著書。
ワタシは押井さんの映画を観たことはない。
Wikiの「今までの作品」を見て、小さい頃に観たテレビアニメがあるなあ・・・と分かったくらい。
業界がかぶるオットはいくつかの作品を観ているらしいけど。
オット曰く
「宮崎駿のように一般ウケはしない。難しいし・・・。人物の印象としても、一見”うわー!オタク??って感じだし。」
そう・・・「難解」というイメージが強くて、オットがDVDを借りたりしていても、ワタシ自身は興味がなかった。
「ただ、業界的にはスゴイ人であることは間違いない!」とか。
ヴェネチア国際映画祭に出してる新作映画(スカイ・クロラ)は、かなり一般の人を意識して作ったとも言われてるが!?
まだ観るにはいたっていない。
この本は、たまたまわが家の最寄の駅の改札近くにある本屋に平積みになっていて、パラパラとみて興味があったので購入。
それでも、いったんは、
「マニアックな映画を作る人が書いた・・・イコール難解!?」のイメージが先行。
手にはとったものの買わなかったのだけれど。
翌日、またその本屋を通りかかり、結局レジへ。。。
なんだろう?この引力は!?
結局、引力に逆らわず購入したことは正解だったようだ。
おもしろい・・・ひきつけられる・・・電車の中で読み始めたが、とまらなくなり、ドトールに入って紅茶を飲みながら最後まで読みきる。
才能あるけどマニアックで一般人を寄せ付けない人?
というイメージは変わり、
「いろいろ経験した”いい大人”」という印象に。。。
「自由」「コミュニケーション」「オタク」・・・その他もろもろについて論じているのだが、常に
「本質的には何なんだ?どうなの?」と問いつづけている人であるということが分かる。
だから、感情に流されることなく論理的で説得力がある。
で、本の中身だが。。。
まず、第1章のしょっぱなから、
「若さに価値などはない!」とバッサリ。
若ぶるオヤジもバッサリ。
「自由」を論じる部分では、
「自由とは、自由に見える状態のことではなく、
自由に何ができるかという行為のことをさすのだ」。
「引きこもり」について。
「世の中と関わること自体がイヤなのか、
世の中に参加するテーマを見出せていないのか」
きちんと分類して論じるべきと言う。
おそらく本のタイトルはこの記述から?
押井さんがこの本で一番言いたかったことなのかもしれない。
「天才の身でない我々は、情熱を持ち続けることしか
この世を渡っていく術がないのだ」。
少し観点の違う「生き方」系の本としてオススメ。
Comments
すごく読みたくなった!
最後の言葉、胸にズシズシ。
すごい。
Posted by: まっちゃん松葉 | September 03, 2008 12:46 PM
>まっちゃん松葉ちゃん
この本によれば、「他者を選び取り、受け入れることが人生」だそうですよ・・・。
大勢の人と映画を作るということは、かなりの苦労を背負うこと。
そんな経験を経て生み出された哲学なのかなあとも思います。演劇にも通じるのでは?
すぐに読めるよ~。オススメです!
Posted by: lamb_labo | September 04, 2008 01:11 AM