「悩む力」姜尚中
夏休みの読書第1弾。
実はかなり売れているらしい、
「悩む力」姜尚中著。
実は大学時代、当時、わが母校に講師としていらしていた
姜さんの「社会思想」という科目を履修していた。
いわゆる学科の専門科目という位置づけで、
そこそこの人数が履修していたと記憶している。
そして、勉学に不真面目なワタシは、どのような内容
だったかはまったく覚えておらず・・・。
しかも、当時、「社会思想」に対する意識が低く、
ポリシーなく、へらへらしていたワタシが学ぶには、
難しすぎた。。。
なんとか単位は取った模様だけど。
(一応、成績証明書で確認!しかし、どうやって
単位を取ったのか??謎)
まさか、あのときの若手の先生が、ここまで有名に
なるとは・・・。
もっとまじめに真剣に講義を聞いておけばヨカッタ。。。
漢方治療院の待ち時間と、その後、あまりの暑さに
休憩に入ったカフェで、ほぼ読みきった。
夏目漱石とマックス・ウェーバーをヒント・・というか事例に
して、「悩むということ」を提示していることが結構大きな
特徴かも。
そういえば、社会学専攻だったから、マックス・ウェーバーも
いくつか本を読んだはず・・・記憶に・・・ないけど・・
目次の構成は、
・今を生きる悩み
・「私」とは何者か
・世の中すべて「金」なのか
・「知ってるつもり」じゃないか
・「青春」は美しいか
・「信じる者」は救われるか
・何のために「働く」のか
・「変わらぬ愛」はあるか
・なぜ死んではいけないか
・老いて「最強」たれ
特に印象に残ったところは・・
「人はなぜ働かなければならないのか」という問いの答えについて。
それは、「他者からのアテンション(ねぎらいのまなざしを向けること)」
そして「他者へのアテンション」である。
確かに。そうかもしれない。
そして、姜さんとワタシの唯一の共通点。
それは、大学等で教師をしているということなのだが、
このようなシゴト(広くいえば、近年増加しているサービス業に
従事する人全般)を、姜さんは「コミュニケーション・ワークス」と
とらえている。
「コミュニケーション・ワークス」の難しさをおさえた上で、
可能性もあるんだよ・・・ということを示してくれている。
ここらへんの記述は、ワタシにとって、ちょっと救い。
そのほか、「愛」に関する記述では、
「幸せになることが愛の目的ではありません」。とか。
本題の「悩む」ことについては、とにかく「真面目に悩みなさい」
というアドバイス。
中途半端ではなく、真面目に悩んで、悩みの果てに
突き抜けたら、横着になってほしい・・・と。
読者として想定されている(?)最近の若い方でも
読める語り口調。
もちろん「老いてどうしよう・・・」という方(すでにワタシは
こちらに近いかも)も、良い意味で「まあ、おもいきり
悩んで突き抜けた先に救いはあるかな?」という
思いにさせてくれる本。
Comments
>まさか、あのときの若手の先生が、ここまで有名に
なるとは・・・。
もっとまじめに真剣に講義を聞いておけばヨカッタ。。。
保育の分野でもそういう人いっぱいいます。
研究室にこもるのではなく、現場に出て実践や保育士の声をきめ細かく取り上げるタイプの方が多いです。
少年事件の度マスコミによく出て来る尾木直樹さんとか、父親の子育てなどに詳しい汐見センセとか・・白いものが混じった円熟の彼らも、25、6年前は新進の青年教師だったのよん。
Posted by: おりがみ | August 04, 2008 12:17 AM
>おりがみさん
>現場に出て実践
これは大きいファクターだと思います。
でも、昔は研究室にこもりきり・・・の方が対先生のイメージでしたよね。
ワタシの知っている教育学の先生(初等教育専門)は、「常に今目の前にいる子どもを見よ」とおっしゃっています。
>尾木さん
分かります~。
物腰柔らかそうな方ですよね。
そういえば、オットは(なんちゃって)法学部出なのですが、殺人事件とかが起ったときによくテレビに出る「法医学」の先生の授業を履修していたとか。。。
死体のスライドを見て、その死因を検討するなどという授業だったらしい・・・。
Posted by: lamb_labo | August 04, 2008 05:40 PM