最初に紹介する本
ラムラボ別館で取り上げるテーマの一つとして、
ワタシが読んだ本について、ワタシなりに感じたことをつづって
いきたいと思っている。
仕事で多くのビジネス書等を
読まざるをえない
状況なのだが、この場で紹介するのは、基本的にはノンジャンル。
できればビジネス書以外。
別にビジネス書でも、おもしろい本があれば紹介したいとは思うが。
マンガだって、エッセイだって、恋愛小説だって、推理小説だって、
ドラマのノベライズだって、地図だって、電話帳だって。
一見関係のないようなモノをつむいでいくことで、仕事や生き方
(・・・はちょっと大げさだが)につながるものが得られるはず。
そして、その、「一見関係のないものからなにかをつむいでいく
作業」がワタシは好きなのだ。
だからあえて、ノンジャンルの本を紹介する。
前置きが長かったが、今日紹介するのは、
眉村卓著「妻に捧げた1778話」。(新潮新書)
眉村卓といえば、「ねらわれた学園」「なぞの転校生」。懐かしい。
ただし、この本はSF小説ではない。
ガンで余命1年と宣告された奥さんのために、彼は毎日毎日1篇づつ
ショートショートを書く。
亡くなるまで1778日。1778話。
毎日を明るい気持ちで過ごせば、免疫力が増して、きっと長く生きて
いけると信じて。
小説を書くことがプロでも、これはなかなかきつかったらしい。でも、
「私にはそれしかできなかった」 著者いわく。
ただし、奥さんってば、単純に「私のためにありがとう・・(涙)」
とはならなかった。
ストーリー展開にムリがあれば、はっきりダメ出しもする!
ステキなパートナーである。
この本は、たった一人の読者に向けてプロの作家が書いた
ショートショートの一部と、その時々の眉村氏の心境で構成されている。
ぜひ、1778篇目の「最終回」を読んでほしい。
「きょうは、今のあなたなら読める書き方をします。」
という記述の後に長い長い空白が入る。
そして、本当に最後の3行が続く。
「いかがでしたか? 長い間、ありがとうございました。 また一緒に暮らしましょう。」
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